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Q:外部の会社と業務委託契約を締結するのですが、問題があれば契約を解除できるように、特に解除条項について留意点を教えてください。

執筆者
佐藤宏和 弁護士

佐藤宏和 弁護士

プロフィール

A:業務委託契約は非常に多く使われる契約形態ですが、多くのトラブルの元になる契約であるのも事実です。法律論としてはまず「業務委託」が「請負」なのか「準委任」なのかを明らかにする必要があります。

請負契約であれば、成果物の契約不適合責任に基づく解除権がありますから、成果物の仕様について詳細に文書化し、どのような条件や手続で解除権が発生するのかを留意すべきです。仮に請負人側の帰責事由なく中途解約する場合は将来の逸失利益から相当な費用を控除した差額を賠償することになる可能性があるのでご注意ください。

準委任契約であれば、委任者が受任者に成果物の契約不適合責任を問うことはできませんが、受任者に不利な時期等でない限りいつでも解除権を行使できます(民法651条)。受任者に不利な時期とは、最高裁判例(昭和43年9月3日 最高裁判所裁判集民事92号169頁)により、「事務処理自体に関して受任者が不利益を被る時期と解すべく、事務処理と異なる報酬を喪失するにすぎない場合を含まない」と判示されていますので、ただ単に「報酬を喪失した」というだけで損害賠償が必要になるわけではありません。受任者が受任した事務処理に従事する従業員を解雇したり配置転換を迫られたりするといった特別な事情がない限り、損害賠償責任は生じません。

契約に定めがなければこのように解されますが、契約に定めを置くことで自社の損害賠償責任を限定するよう、契約書の文言を工夫するのが望ましいと言えます。

この記事は執筆時点での法令および裁判例等の状況に基づいており、以降、現在までの法改正や裁判例の追加を踏まえたものではありませんので、ご留意ください。
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