アカデミック法務 Academic Legal
教育・研究機関に特化した法務サービスを提供します
主な担当弁護士・弁理士
甲本晃啓 弁護士
アカデミック法務とは?
「アカデミック法務」とは、当事務所が提唱する独自の分野で、大学や大学院、研究所などのアカデミックな機関に特化したリーガルサービスを指します。
高等教育の場である大学・大学院、研究機関は、一般の会社とは異なり、独特の文化や歴史をもった永続性ある組織です。
組織の成り立ちや風土(校風)にもひとつひとつ違いがあり、どれひとつとして同じ組織はありません。また、一般の会社のような完全なヒエラルキーに近い組織をもっていても、組織内での個々の教員の自主性、独立性が重んじられているという点で、独特の組織運営が図られています。
また大学では、古くから研究成果を社会へ還元する場としての産学共同研究が行われており、近年特に活発です。また、データ連携を基礎とした学際的な取り組みが多数始まっており、社会実体としてさまざまな活動や取り組みを外部法人を設立して行う大学も多くなっています。
組織として特殊なところでは、大学の場合には学生(やその保護者)という顧客的立場の構成要素と長期の関係が続く前提で運営がされていくものであり、人が入れ替わるごとに本当に多種多様な問題が生じ得ます。典型的と思われるハラスメントやジェンダー問題ひとつとってみても、一般企業とは異なる大学特有の場面があり、より迅速な対応と、実態に根ざした適切な解決が求められることはいうまでもありません。
当事務所「アカデミック法務」では、このようにひとくくりにすることは難しいさまざまな研究教育機関で生じうる法律問題を、専門的見地から解きほぐし、ひとつひとつ具体的に問題の芽をつみ、問題が起こったときに解決していきます。
研究成果を守り、活用する
研究成果は社会に役立てられることが期待されています。研究成果を世に出すという場面においては、社会とのかかわりが大きく3つのフェーズをもっています。
ひとつは、研究成果について権利として守っていくことです。主に特許取得の問題ですが、成果について著作権、商標権、意匠権など多角的側面から権利保護を検討する必要があります。これは、知的財産法務の内容として別項目で紹介しています。
ふたつめは、社会との協働です。実際に研究成果を世に出す場合は、企業との共同研究のほか、大学自身がベンチャーとして会社等を設立するなどの方法もあり、スキームの作成から、関係する契約、規程類の整備などさまざまな局面で弁護士の関与を必要としています。
最後は、社会への公表です。研究成果を世に知らしめることは有意義で、旧来であれば、投稿論文として掲載する、新聞の取材を受けるといった方法がメインでした。しかし、現在では、大学自身がインターネットを通じ、さまざまな形で発信をおこなっています。その際には著作権の問題や、取得するべき知的財産権との関係で新規性を確保しつつどのような形でオープンにしていくのか法的な安全性を考慮しながら進める必要があります。
トラブルを防ぎ、そして、迅速に解決する
1. 内部通報とアカデミック・ハラスメント
大学では、さまざまな内部通報に対応する必要があります。特に多いのがアカデミックハラスメントと呼ばれる教員から学生に対するもの、職員同士のパワーハラスメント、ここに異性関係のセクシャルハラスメントの側面が加わることもあります。
大学にとっては教員、学生、どちらも大切な存在です。何よりも予防が第一です。当事務所では、ハラスメントや法令違反の防止に役立つ研修プログラムを提供するとともに、各種規定の整備、通報時の初動対応から、事案ごとの解決までの対応、そして、それら対応を踏まえた再教育まで幅広いサービスを提供しており、万全の対応をお約束します。
2. カスタマーハラスメントに準ずるクレーム対応
卒業生やその保護者から教職員が理不尽な要求を受ける事例はどの大学でも多くあります。精神疾患を抱えている方からの申し出など対応に慎重さを要求される事例も間々あります。教職員任せにすると、対応に疲弊し、本来業務に支障を来すような事例も実は潜在的には多くあります。組織として対応できる体制づくりが必要です。
こういった問題をカスタマーハラスメントに準ずるものとして認識しておかないと、責任感のある教職員ほど問題を抱え込んでしまい、結果、どんどん職員が辞めていく…といった最悪の事態になりかねません。
このような問題も、実は弁護士に対応を任せることで適切な解決ができるのです。
3. 研究不正に対する対応
外部からのコンプライアンス通報で多いのは、研究不正に関するものです。特に、お金の使い方を巡る問題はいつでも起こり得ます。これには調査と事実に基づく適切な対応が必要で、弁護士の関与が欠かせない問題です。また、多くはありませんが、論文の盗用などの問題も、不注意から発生することは珍しいことではありません。
研究不正を含むコンプライアンス違反については、初動対応を誤り、不正とはいえないものを不正として扱った場合は名誉の問題になり得ますし、不正が確認されても適切に対応を進めなければ、隠蔽しているとの社会的非難を浴びることになります。
問題発生時から弁護士と共有をすることで迅速かつ適切に対応を進めていくことが可能です。なお、研究不正の防止のための倫理教育から著作権教育なども提供しています。
4. 学生のトラブル救済
大学生になれば、アルバイトや就職活動で社会との関わりがそれまでより格段に大きくなります。結果として、学外でトラブルを抱え、適切な相談機会がなく、さまざまな不利益を受ける例があります。当事務所では、リーガルアシスタンス(法律相談)を顧問業務に付随して提供しており、トラブルに直面した学生に対するケアとして、いち早い法律の専門家のアドバイスを得ることも可能です。
いつでも相談して信頼できる弁護士を目指して
当事務所「アカデミック法務」担当の甲本弁護士は、理系・大学院(バイオ/メディカル/ケミカルが専門)出身で、大学内部の事情もよく理解したうえで、バランス感覚を持った対応を心がけています。国立大学および私立大学、一般社団法人ほか複数の研究教育機関に対して顧問業務を提供しています。
顧問業務にあたっては、一人の弁護士が責任をもって長年にわたり様々な問題に触れ、そして解決することで、細かな言語化できない文化や背景まで理解をし、それを大学ごとにノウハウとして蓄積していきます。
相談のしやすさも重要と考えています。メールやチャットワークなど学内のシステムに応じてオンラインでご相談いただけるように体制をとっており、また、緊急時には夜間・休日でも速やかに一次対応をとらせていただいております。
さらに、研究倫理、ハラスメント関係、また研究その他の活動における知的財産権の理解を深めるプログラム(出張講義・オンライン講義)の提供なども行っております。
「アカデミック法務」に精通した当事務所の担当弁護士にお任せください。
当事務所 担当弁護士のスキルポイント
- 学内問題の解決に特化し、トラブル予防から初動体制からサポート
- 研究倫理に関する問題から労働問題まで大学の抱える問題を対応
- 産学共同研究、大学発ベンチャー等の契約にもカバーしています
こんなご相談ならお任せください
- 産学共同研究、民間への権利移転・許諾に関する契約作成、審査
- 保護者・卒業生からのクレーム、近隣からのクレーム、学生間のトラブル
- ハラスメント事案の対処ほか学生・教職員の懲戒に対する事実調査、第三者委員会への参画、処分意見書のとりまとめ
- 学生・教職員向け法律相談サービス、その他リーガルアシスタンスサービスの提供
- 研究不正の申し出への対応、その他不祥事対応
- ハラスメント研修、研究倫理研修、リーガル(著作権その他の知的財産権)に関する研修・スポット 講義等の講師依頼
- 大学のベンチャーの起業サポート、外郭団体(一般社団法人、株式会社)の設立
- 個人情報や情報管理規定の策定
- 公益通報窓口業務
サービス一覧
教育・研究機関向け法律顧問
アカデミック法務に精通した担当弁護士が、教育・研究機関の法務アドバイザリーをご提供します。学内規定、契約書等の整備も行います。
契約審査・権利化対応
共同研究に関する契約策定や、成果にかかる知的財産権の権利化もご相談いただけます。
ハラスメント・コンプライアンス通報対応
学内でハラスメント問題やコンプライアンス違反があった場合、調査を行い、第三者委員会をつくるなどの対応を行います。ご用命があれば第三者委員会に入り問題を検証します。各種内部通報についての外部窓口業務も行っております。
労働問題対応
教職員の待遇、労働条件に関する問題、解雇・雇止め・本採用拒否にかかわる問題の相談および解決、職員間のパワーハラスメントに関する対応を行っています。
教育プログラムの提供
研究倫理、ハラスメント、コンプライアンスのほか、個別の法分野の教育プログラムを提供しています。