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甲本弁護士がネタバレと著作権との関係について解説した記事がCNET Japanで公開されました

「ネタバレ自体は違法ではない--漫画「ネタバレサイト」の問題点を弁護士が解説」と題する記事が、2月9日付けでCNETJapanで公開されました

https://japan.cnet.com/article/35183196/

<甲本弁護士のコメント>

今週の朝の連続テレビ小説や大河ドラマのまとめ+感想をしているブログやニュース記事もありますし、○分で読めるあらすじサイトなんてサービスを展開されています。それと、今回、摘発されたサイトはどう違うのでしょうか。どちらも広告が掲載されて、記事としてアップロードした人たちは何らかの形で広告収入を得ているように思います。

著作権法は、著作物を通じた意思伝達により「文化の発展」を支える仕組みです。著作物は公表すれば、社会から(良い意味でも悪い意味でも)批判された、第三者に論評に晒されることが予定されており、そのような正当な範囲であれば、公表された著作物については自由に利用できる必要があります。

批判や論評というとなんだか凄いことに聞こえますが、今週のあのドラマが面白かった、つまらなかっただとかいう日常会話やTwitterで皆さんかやっている他愛のない発言が、まさにこれなのです。

今回の摘発されたサイトは、実質、本やマンガを買わなくても中身が読める、というようなサービスであったため、権利者の正当な利益を奪ってしまうため、摘発するべき実質的理由はあるでしょう。そうしないと、新たに創作をしようという意欲が削がれてしまうからです。ネット上では、「引用」の名のもとに、法的には「引用」とはいえないような単なる無断転載、もっといえば、コピペによる他人の著作権へのフリーライドしてアクセスを稼ぐ違法ビジネスが横行していることもまた現実です。

では、著作権を侵害しないように注意すればよいかというと、実はそんなことはなく、やはり営業妨害になるようなレベルの「ネタバレ」なら違法と判断されると思います。この点、ネタバレではありませんが、ニュースサイトの「記事のタイトル」を即時に自動コピペして表示するようなサービスについて、裁判所は、タイトルには著作権を認めなかったものの、「事業と競合関係にある」として転載により権利者の事業活動に影響がでる関係にあること認定したうえで、ニュースサイトの「価値」と「鮮度」に「ただ乗り」すると(刑事事件ではありませんが)断罪して、不法行為責任を認めました(ヨミウリ・オンライン事件、平成17年10月6日知財高裁判決)。この判決内容からすると、著作権侵害をしない態様であっても、本なり、マンガなり、権利者のコンテンツ商品が売れなくなってしまうようなフリーライド的な利用、例えば、読み手がそのネタバレサイトで満足してしまう形で他人のコンテンツを公開すれば、それは違法と判断される可能性があります。

あくまでも、作品を紹介しつつ、個人の意見をメインとして書いている記事である限りでは、違法性はありません。

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ネタバレというと、楽しみにしていた 深夜にやっていた motoGP のレース結果が月曜日朝の SNSで流れてくると「うわぁ。」という気分になってしまいますが、あえて楽しみにしていた(知りたくない)情報を故意に伝えてきた人について損害賠償請求ができるかって話題(「#クリリン死亡」のネタバレタグは、法的責任を問えるか)について検討するのも面白そうですね。また改めて。